• 2026年9月9日

「健診は正常」でも油断禁物?            誰にでも起きる『血糖値スパイク』の話

健康診断の結果表を見て、「血糖値もHbA1cも基準値内ですね。問題ありません!」と言われると、ホッと一安心しますよね。

ですが、実はこの健康診断の結果が「すべて正常」であっても、日々の暮らしの中で「血糖値の隠れた急変動」が起きていることがあります。それが、ジェットコースターのように一時的に血糖値が跳ね上がり、急降下する『血糖値スパイク(食後高血糖)』です。

この血糖値スパイク、糖尿病の方や予備軍の方だけでなく、健診で「完全な正常値」と言われている方や、若い方、痩せ型の方であっても誰にでも起こりうる現象なのです。

1. なぜ健診では見つからない? 「血糖値スパイク」の正体           

一般的な健康診断で行われるのは、食事をとっていない状態(空腹時)の血液検査です。そのため、普段の数値がどれほど綺麗で問題がなくても、「食後の数時間だけ、血糖値がすごい勢いで上がっている」という変化は見過ごされてしまいます。

もしかして?こんなサインはありませんか?

  • お昼ご飯を食べたあと、耐えられないほどの強い眠気に襲われる
  • 午後の早い時間帯に、急激に頭がボーッとしたり集中力が切れたりする
  • 食後にイライラしたり、甘いものが急に食べたくなったりする

                         

「歳のせいかな」「寝不足のせいかな」と見すごしがちなこれらの変化は、実は食後の血糖値の急変動が影響しているサインの可能性があります。

💡【リブレで判明!】実際の測定データから見る「隠れ血糖値スパイク」

当院で導入している**FreeStyleリブレ2(腕に小さなセンサーを貼り、24時間の血糖変動をグラフ化する機器)**を装着された方の実際のデータをご紹介します。

↑対策前:食後に200 mg/dL超の急上昇(6月5日のデータ)

食前(12時頃)の血糖値は110 mg/dL前後と正常範囲内ですが、昼食後(13〜14時頃)に210 mg/dLまで一気に跳ね上がっています。空腹時の健診では捉えられない典型的な「食後血糖値スパイク」です。

↑対策後:工夫次第で波はここまで穏やかに!(6月16日のデータ)

食べる順番や食後の軽い運動など、生活習慣の工夫を取り入れた日のデータです。同じ昼食の時間帯でも、ピークは136 mg/dLにとどまり、グラフの波が非常に穏やかにコントロールされています。

2. なぜ血糖値スパイクに気をつけたほうがいいの?

「食後に眠くなるくらい、よくあることでは?」と思われるかもしれませんが、この血糖値のアップダウンが日常的になると、体や血管に少しずつ負担が蓄積されていきます。

                               

  • 血管や心臓への負担                                         急激に上がった血糖値は、血管の内側に負担をかけます。これが積み重なると、将来的な血管のしなやかさに影響し、生活習慣病のリスクを少しずつ高める原因になります。
  • すい臓のオーバーワーク                                       上がった血糖値を無理やり下げようと、インスリンを分泌する「すい臓」がいつもフル稼働を強いられます。この状態が長く続くとすい臓が疲弊してしまい、将来的にご自身の体をコントロールするのが難しくなる土壌を作ってしまいます。

3. 今日からできる!血糖値の波を穏やかにする工夫

血糖値スパイクは、特別な制限や薬に頼らなくても、毎日のちょっとした習慣の見直しでグッと穏やかにすることができます。

  1. 「食べる順番」をちょっと変えてみる                                 最初の一口に、お野菜、海藻、お味噌汁などを選んでみてください。食物繊維やタンパク質を先にお腹に入れることで、そのあとの糖の吸収スピードがゆっくりになります。
  2. 「よく噛んで」ゆっくり味わう                                    早食いは血糖値を一気に跳ね上げてしまいます。一口ごとにゆっくり味わうことで、満腹感もアップします。
  3. 食後に「軽い運動」を取り入れる 食後30分くらいのタイミングで、15分ほど近所をお散歩したり、軽いストレッチをしたりしてみてください。筋肉が余分なブドウ糖をエネルギーとして消費してくれます。

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