- 2025年9月26日
インフルエンザ予防接種 2025-2026
🩺 インフルエンザとワクチン接種について
毎年冬に流行する感染症として知られるインフルエンザ。世界保健機関(WHO)は、前年の流行状況やワクチン製造効率などを踏まえて、今年流行が予想されるインフルエンザ株を選定します。その推奨を受けて、日本では厚生労働省がワクチン製造株を決定します。
今年接種されるインフルエンザワクチンは、以下の3価ワクチンです(1回の接種で3種類のウイルスに対する予防効果があります):
- A型(H1N1)ソ連型:現在は「新型インフルエンザ」とも呼ばれます
- A型(H3N2)香港型
- B型(ビクトリア系統)
これらは不活化ワクチンであり、ウイルスの毒性は取り除かれているため、比較的副作用が少ないのが特徴です。
今年の晩夏には**香港型(H3N2)**が小流行を起こしました。高齢者では重症化しやすい傾向があるため、今年の冬も同型の流行が懸念されます。ぜひワクチンを接種し、重症化の予防に努めていただくことをおすすめします。
🌬 フルミスト(点鼻型ワクチン)について
最近では「フルミスト」という点鼻タイプのインフルエンザワクチンも流通しています。注射ではなく鼻から投与するため、痛みがないのが特徴です。
ただし、フルミストは弱毒生ワクチン(毒性を弱めたウイルスを使用)であるため、接種後に軽い発熱や風邪症状が出ることがあります。以下の点にご注意ください:
- 試験や重要な仕事の直前の接種は避ける
- 同居者に透析患者さんや免疫不全の方がいる場合は使用を控える
なお、新宿区では19歳未満の方に対して、点鼻ワクチンにも助成が適用されるようになりました。今年度は小児科を中心に流通しており、成人用の確保は難しい状況です。当院では来年度以降の導入を予定しています。
🤝 ワクチン接種の意義
インフルエンザワクチンは、自分自身を守るだけでなく、周囲の人を感染から守るという大切な役割も担っています。
過去に副作用が強かった方や、医学的な理由で接種できない方はもちろん対象外ですが、それ以外の方には、公衆衛生を学んだ立場からも、ぜひ接種をおすすめしたいと考えています。